AIエージェントの「意図を読む力」が一段上がった — DeepSeek V4 Flash 0731 の話
Hermes Agent で DeepSeek を使い比べた体験記。例外モデルとして月15ドルまでしか使えない V4 Pro から、60ドル分フルに使える最新の V4 Flash 0731 に移して、メール返信から Meet 作成・カレンダー登録までがワンショットで通るようになった話です。
私は日々の仕事を Hermes Agent(AI エージェント)に任せています。メールの下書き、案件フォルダの整理、スケジュール調整——エージェントがどこまで勝手にやってくれるか、がそのまま作業量の差になります。
今回は、そのエージェントの頭脳を DeepSeek V4 Flash(0731版) に変えたら、これまでいちばん引っかかっていた「複数ツールをつなぐタスク」が驚くほど素直に通るようになった、という話です。
もともとの構成:V4 Pro を使っていた
エージェントのメインモデルには DeepSeek V4 Pro を使っていました。賢さは申し分ありません。OpenCode Go は月10ドルで60ドル分の利用枠がつくサブスクリプションで、コスパも良いはずでした。
ただし例外があって、一部のモデルは月15ドルまでしか使えない。DeepSeek V4 Pro はまさにその例外モデルで、60ドル分の枠のうち15ドル分しか消費できない。一方で V4 Flash は例外対象ではなく、60ドル分フルに使える。結果、「賢いけど、月の途中で量が尽きる」状態になり、コスト面の恩恵をあまり受けられませんでした。
他のモデルを試して、DeepSeek に戻ってきた
他社のモデルもいくつか試しました。ところが、
- キャッシュ割引率(同じ会話の続きがどれだけ安くなるか)
- 日本語の自然さ
の2点で、結局 DeepSeek が一番しっくりきました。性能表の数字より、日常で使ったときの「相性」が効く領域です。
一方、旧版の V4 Flash は 賢さが Pro より一段落ちる印象でした。Composio(外部ツール連携)そのものは扱えるけれど、一連のチェーンタスクの中の1ステップとして MCP を叩くのは少し心もとない。だから本番は Pro のまま、という構成で回していました。
0731版に変えたら、何が変わったか
V4 Flash 0731 を Hermes Agent に入れてみたところ、私の体感では Pro 以上にこちらの意図を読み取ってくれます。しかも速い。
いちばんわかりやすい例が、このチェーンタスクです。
先方から届いたメールを読んで、
- 内容を理解する
- 返信文面を作る
- Google Meet のリンクを作成する
- カレンダーに予定を登録する
これが 1つのチェーンとして、ワンショットで通るようになりました。以前は「理解 → 文面」まではできても、そこから先のツール連携で途切れがちでした。
比較のために言うと、私が試した範囲では GPT-5.6 Luna は Composio のツールをちゃんと叩けず、ずっとループしていました。reasoning を最上位設定にしてもダメでした。その点、0731 はツール呼び出しをチェーンの中の自然な1ステップとして扱える。エージェント用途としては、これが大きいです。
まとめ(あくまで私の環境での体感です)
| 観点 | 旧 V4 Flash | V4 Pro | V4 Flash 0731 |
|---|---|---|---|
| 賢さ | 一段落ちる | 高い | Pro 以上(体感) |
| 速度 | 速い | 普通 | 速い |
| ツール連携 | 心もとない | 使える | ワンショットで通る |
| コスト上限との相性 | $60フル | $15で頭打ち | $60フル |
エージェントの頭脳として見たとき、私の中では「賢さ」と「ツールを確実に叩けるか」は別物で、後者の比重が大きいようです。0731 はその両方が揃って見えます。
性能の優劣はベンチマークではなく、あくまで自分の使い方で決まる。この1ヶ月でいちばん効いた変更でした。